あなたを苦しめているのは「お母さん病」だった
薬を使わずに「うつ」を治す、精神科医宮島賢也が教えてくれる処方箋
そんなとき、「自分には無理かもしれない」「なんてダメな人間だろう」など、いろいろな不安が頭をよぎるかもしれません。
そこで、自分を苦しめる思い込みを「お母さん病」と名づけ、数多くの症例を見てきた精神科医宮島賢也先生に話を伺いました。
◆「お母さん病」とはなにか
うつの原因となる「お母さん病」とは、自分に満足せず、足りないものを他人の評価、お金、仕事などで埋める生き方を、「刷り込まれている心の状態」をさします。
母親が悪いと追及するものではありません。「お母さん病」を子供に刷り込んだ親たちも「お母さん病」で苦しみつつ、生きてきたのです。
◆ストレスにさらされると出てくる「お母さん病」
「幼いときに満足できる愛情を得られず、自分を信じられず、不安が強い心の傾向」を持っている状態や「~でなければいけない」という条件付きの愛のなかで育つと、自己肯定感が弱くなります。
つらいことでも我慢しなければならない、~ができないと自分は認められない、完璧でなきゃいけない、などの不幸せな思い込みが刷りこまれていきます。
内面の自信のなさ、不幸せの思い込み、まだまだ足りない感がある、幸せ感に乏しい、これらが内面に巣くっていることを、ぼくは「お母さん病」と呼んでいきます。
「思い込み」を抱えて、仕事や人間関係で大きなストレスにさらされると、それまで隠されていた「お母さん病」が出てきます。
上司に「こんな仕事でよく給料取ってるな」などの暴言を受けると、「~できないからダメだ」の、「お母さん病」の思い込みがわき上がってきて、さらに自分を追い込んでしまうのです。
ストレスだけでもつらいうえ、もとから苦しい思い込みがあるので、耐えられずにうつになったり、心身症になったりして、体がメッセージを出すのです。
ぼくのクリニックを受診して「どうしたいのか?」と聞かれても、「自分は本当は何をしたいのかわからない」という人が多いのです。やりたくないのにやる、ということに慣れてしまって、自分がしたいことに鈍感になってしまっているのです。
いつも自分に自信が持てない。
自分が好きになれない。
生きる喜び、生きる目的がわからない。
そのような人は、お母さん病を心の奥深くに、持っているのかもしれません。
だとしても大丈夫です。
お母さん病に気がつき卒業した時点から、オセロゲームの駒が黒から白になるように、あなたの人生は明るく豊かに変わっていきます。
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